シェイクスピアはもういらない
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アイテム番号: SCP-xxx-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPはサイト-81██の野外収容エリアに設置されます。天候の影響による劣化を防ぐため、簡易的な収容室がSCP-xxx-JPの全体を覆うように建築されます。冬期、割り当てられた担当者は定期的に収容室内の積雪を取り除かなければいけません。この際、担当者はSCP-xxx-JP内部の積雪を取り除く必要はなく、またSCP-xxx-JP内部に侵入してはいけません。Dクラス職員以外の職員がSCP-xxx-JPを通してSCP-xxx-JP-1内部に侵入する際は、財団標準の防寒装備の着用が義務付けられます。

Cocytus.jpg

発見時のSCP-xxx-JP

説明: SCP-xxx-JPは元々北海道██町の██公園に休憩所として設置されていた木造建築です。正六角形を意識した形状の床の各頂点に柱が設置され、上部には屋根が存在します。また、六角形の各辺から上部に伸びるように細い柱状の木材で柵が設置されており、その柵にはベンチが釘によって接着されています。

SCP-xxx-JPは内部から外に向かって少量かつ非異常の雪を絶えず噴出しています。このため、冬季などに気温が0℃を下回る場合、SCP-xxx-JPの周囲には1日あたり10 cmほどの割合で雪が積もることになります。ただし、積雪などによって内部が完全に何らかの物質で満たされてしまった場合は噴出が阻害され、それ以上積雪量は増加しません。

SCP-xxx-JPはSCP-xxx-JP-1に指定されている異空間に接続しています。この空間へはSCP-xxx-JPの六角形の床の中心に、おおよそ20秒間立ち続けることで転移可能です。転移先の空間と我々が存在する空間との間で通信を行う試みは、無線・有線を問わず成功していません。

SCP-xxx-JP-1は、常に気温-10 ℃以下を維持する、約70×50×20 mの長方形の空間です。天井及び壁は白色で、未知の素材で構成されています。また、SCP-xxx-JP-1内部には60体~80体程度の人型実体が存在しており、人型実体は常にSCP-xxx-JP-1において何らかの劇作品(詳細は後述)を上演1しています。またこの劇作品の内容に合うように、SCP-xxx-JP-1内部の設置物2や環境、人型実体の服装などは改変されます。

人間がSCP-xxx-JP-1に侵入した場合、侵入者は空間の隅に存在する扉の前に出現します。この扉は人型実体によって舞台裏への扉と認識されていますが、侵入者がこの扉を通り抜けた場合、SCP-xxx-JPの付近へ帰還することができます34。侵入者はSCP-xxx-JP-1への転移直後、基本的に"脚本家"を名乗る人型実体によって案内を受けます。"脚本家"は侵入者を客席へ案内し、上演される作品の簡単な説明を行います。説明の終了後、すぐに作品の上演が開始されます。侵入者は上演中、自由に行動することができます。これは、上演中に帰還することや客席を離れ各人型実体に物理的に干渉することが可能であることを意味します。ただしそれぞれの人型実体は干渉に対して完全に無反応であり、コミュニケーションは成立しません。上演が終わると"脚本家"が再び侵入者に接触し、観劇へのお礼と上演の終了を告げたうえで、帰還を促します。侵入者が帰還を拒んだ場合は、侵入者及びあらゆる撮影機器は付近に存在する人型実体による目隠しを受けます(撮影機器の場合は布などでレンズを覆われます)。この間にSCP-xxx-JP-1内部では設置物等の改変が行われ、次の作品の上演の準備が整えられます。目隠しは数秒程度で外され、"脚本家"は侵入者に対して感謝を告げた後、再び侵入者を客席へと案内します。その後、先ほどとは異なる作品の上演が開始されます。人型実体の由来については、その容姿の類似から200█年に集団失踪した劇団██との関連が疑われていますが、結論は出ていません。

SCP-xxx-JP-1内で上演される作品は、1つの例外を除いてすべて既存の作品、もしくはそのミュージカルアレンジです。アレンジ元となる作品はコメディやサクセスストーリーを含む一般に喜劇と呼ばれるもので、制作された時代や地域に共通点はありませんが、知名度が高く多くの劇団で上演されている作品が選ばれる傾向にあるようです。現在まで実験によって50作品以上の上演が確認されていますが、その中にウィリアム・シェイクスピアの作品は含まれていません。詳細な作品のリストは、添付の"SCP-xxx-JP関連文書 - 上演作品一覧"を参照してください。

上演作品のうち、"シェイクスピアはもういらない"と題された作品のみが、唯一既存の作品に起源を持たないと考えられています。この劇の上演時、人型実体は主に近代~現代ヨーロッパのものを模倣しているとみられる衣服を着用しており、時代的な統一感はあまり考慮されていないようにみえます。また、この劇の上演時は他の劇の上演時と比較していくつかの例外的な状況が発生します。発生する例外的な状況は次の通りです。

  • "シェイクスピアはもういらない"が上演される場合、"脚本家"は侵入者を客席へ案内する代わりに劇へ参加するように促します。
  • "脚本家"も演者の一員であるようにふるまいます。また普段は照明などいわゆる"裏方仕事"を担当する人型実体も、演技に参加します。照明等の機器は不明な原理により自動で動作します。
  • 上演中は各人型実体と劇の進行を阻害しない程度の対話が可能です。
  • 劇の途中で"脚本家"は致命的な問題(役者のけが、設備の不調等)を原因として侵入者にSCP-xxx-JP-1から帰還するよう懇願します。この懇願は侵入者が帰還するまで続きます。

その性質上途中までの観劇しか行えないにもかかわらず、実際に観劇・参加したDクラス職員はこの劇を"非常に喜劇的である"と評しました。

探査記録: 以下は"シェイクスピアはもういらない"上演中におこなわれた、Dクラスによる探査の映像記録を転写したものです。この探査において、Dクラス職員には"シェイクスピアはもういらない"が上演された場合は"脚本家"の懇願には従わず、劇を最後まで観劇するように指示が出されていました。また、探査を行ったD-xxx1は"シェイクスピアはもういらない"の上演が行われるまで何度もSCP-xxx-JP-1へ侵入を繰り返しており、内部の構造と異常性に対してある程度の理解があります。なお、人型実体の発言については、発言者欄に人型実体が演じる役柄名を記しています。

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